郵便局の待合にあった家の光という農家向けの月刊誌を開いたら、近くの農家で守ってきましたという宮崎県の川坂、家田という湿原が掲載されていて気になっていた。気候がよくなったら行ってみようと夫に持ちかけたのがバイクツーリングの旅で実現。
一日目があいにくの雨天で宿に行くだけの日程になったが、昼食を食べに寄った道の駅のメニューも満足で、今回はどうも食事には恵まれそうだという予感。
コースはここ熊本を9時出発、大分との県境波野で小休止、豊後大野の道の駅きよかわで昼食、 続いて 佐伯に近い弥生道の駅小休止、佐伯を通過せず手前で右折して東九州道工事中のルートに沿って蒲江に到るコースだった。180kmのバイク(タンデム)はかなり堪えたが景色や道すがらのつまみ食いなど楽しみも多かった。(休憩含み6時間のライディング)
今回で4度目の蒲江おさかなグルメ行、初めての民宿をネットで予約したが、大当たり。宿の女将はすべて手料理でもてなしてくれた。最初に登場したのが伊勢海老のおつくり他小鉢数点、エソのすり身を直前に揚げたアツアツのてんぷら、小イワシの甘露煮、すでに途中で満腹状態ながら、出されるとやはり箸を伸ばしてしまう。〆は伊勢海老の味噌汁にきゅうりの漬物でアツアツのご飯が進み過ぎてしまった。(民宿しまんご)
翌日快晴、目指す湿原まで80kmほど延岡に向かう途中北川はゆま道の駅が目印となる。バイクの便利なところは狭い道もなんのそのだ。田圃に囲まれた一角に浅い池のような湿地がいくつかあって、めずらしい植生がある。川面には久しく見かけなかったハグロトンボ(黒い羽根の)がちらちらと飛び交い、遠くの畔道には黄金色の稲穂を縁取るように赤い彼岸花がうつくしい。刈取りの時期らしく、間に刈り込んだ田んぼにはシラサギが群れなして餌をついばむ。いい光景だとカメラを向けて近づくと一斉に飛び立って向こうへいってしまった。日本の田舎、のどかで平和だ。また折を見て、こんな景色に出会う小旅行を楽しみたい。