2012年12月

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Xmasイブの休日は今年最後のドライブということで、雪の舞う天候に近場の西原村探訪になった。友人情報の店はどうも若い人向けで、我ら中高年には勇気が要る為自分アンテナに頼ることにした。目的は軽い山歩きで、適当な路肩に停車したら小一時間程度足慣らしの登坂である。夫の意見で前にバイクで登って行けそうと感じた小高い山?に決まった。が、登り口が不明で牧草地から踏み入って3軒ほどある別荘らしき建物の下まで直登して、丸太を切った脇道から山に向かった。入るとすぐ霜柱のバリバリ立った土手が現れ、しばし見入ってしまう。何しろ写真のような見事さで最近目にしない光景だった。この先は桧の林で下草を手折りながらジグザグに急坂を回避して登る。抜けきったら笹と雑草の間をガサガサと踏み分けながら頂らしい処に出た。P1020373
夫と友人が踏み分け道を辿っている間に、私は背丈程もある藪に分け入って下山ルートを見つけ出した。造成地らしい雛壇の草地に飛び降りると後はなだらかな下りで一機に車のある道まで行けたが、丸太の主が紅茶の店であると判りフィーカ(SWEDEN語のお茶をする)を楽しむことにした。後の二点は其処での写真だ。「さっき車から直接此方に登って来られてるのを見てましたが、入り口はかなり向こうからで、こんな風に来られたのは初めてです。営業も今年は今日で終で、、、。」とワイルド3人組に呆れながらもケーキまで振舞って下さった。リタイヤ後をのんびり暮らす趣味のいい夫妻のようだ。いいカフェ発見。
P1020379平屋建てのゆったりしたスペースP1020378
 窓からは熊本市街はおろか有明海まで。山の緑でリースも右上に。




blgx4LISEBERGパークのイルミネーションblgx2Xmas市風景

12月最大のイベントはもちろんクリスマスである。既に各地でクリスマスバザーが繰り広げられている。特にHAGA地区(店名の由来)の露天市は有名で、メインストリートに食料(焼き菓子、キャンデイ、チーズ、ハム、燻製の肉や魚など)、手作りのろうそく、木工品、陶器、編み物、織物、もみの木やリースのほかにアンテイーク商品などが所狭しと並ぶ。これはクリスマス前まで毎週末に開かれる。自宅近くのLISEBERG 遊園地のクリスマスバザーには毎年大型バスで観光客がつめかけるほど人気があり、ご近所のよしみで我が家は初日に行ったが、特にイルミネーションが感動もの。

こうしてこの月はあわただしく過ぎていくが、さほどストレスは感じない。音(路上や店内でのBGM)がないせいかも?職場では社員をレストランのクリスマスディナーに招待する。これは日本の忘年会に匹敵するようなものだろう。盛大なスモーガスボード(日本に伝わった時バイキングと呼ばれた食スタイル)で、オードブルからデザートまで数十種類に及ぶことも少なくない。日本と違い家族優先のこの国ではせいぜい1,2回仕事関係の宴会をしたあとは家族や親戚とのクリスマスパーテイのほうに力を入れる。いつもは節約精神旺盛なスウェーデン人が身内や友人のために連日プレゼントの買出しに精を出す。

ここ10年ほどずっとクリスマス商戦の売り上げ記録を更新してきた。景気の悪いときほど憂さ晴らしを兼ねて買い捲る傾向があるというコメントもテレビのニュースでよく聞く。しかし昨今はエコー思想が定着し、リサイクルに目覚めた人々が買い控えする傾向が高まり、久しぶりに売り上げ低下になりそうだ。
プレゼントはもらうのもあげるのも楽しいもの。バザーを求めてこれから出かけよう。贈り物は数より質。さあて今年はみんなに何を贈ろうか?!
blgx3HAGA地区のバザー風景(この日の外気温-12°C)

師走に入って、気忙しい感じの時にと思われるだろうが、かなり前から紅玉が出たころにはと講師のYさんの都合を聴いたりしていてこの日になった。テーブルの大きさから10名位が限界である。前日に大方の準備は済ませておいたが、それでも道具を出し忘れたりの不手際で走っては補充した。粉を計る作業は是非経験してお菓子つくりの感じを味わってもらいたいので、一人前の分量をそれぞれにお願いして、手捏ねとフードプロセッサーの2タイプをやってもらった。まとめた生地を冷蔵庫で休ませた後麺棒で伸ばす作業は結構体まで温もるものだ。
P1020342「塩を一つまみっと。」

練パイ生地なので、パイ皿に敷きこんだらリンゴをシナモンシュガーでまぶしてフィリングにし、また上から生地の蓋をして焼くというシンプルな方法である。それでも10個以上を作るというと時間はあっという間に3時間近くたっていた。焼く間にFIKA(ティータイム)をとり、前もって焼いておいた同じパイを試食して、皆ご機嫌であった。

22cmのパイを焼くばかりに準備してお持ち帰り。180度で一時間ですよと念を押しておいたがうまく焼けただろうか?フォローのメールは来ていない。

菓子作りをすると急に家に帰っても手の動きが出て、ついでに翌日が夫の誕生日でもあるのでX’masリハーサルも兼ねてシュトーレンを焼いてみた。針葉樹の森に雪が降ったイメージのアメリカ製焼き型の初下ろしでもあった。(下写真)
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間に合わせのステーキ肉でバースデイディナーの後、ついでのケーキかと夫は不満そうであったが、味見と称して下のはみ出した生地をナイフで切り落とすと結構ぱくついていた。片付いてないダイニングのガラクタが写りこんだ写真でお恥ずかしい。こともあろうにアップルパイの完成写真は撮り損ねてしまった。誰か撮ってたら回してくだされ。

スウェーデンの白樺初投稿blg12044

10月半ばに初雪が降って以来、雨と曇りの日が大半を占めた11月が終り、ついに本格的な冬がやってきた。今朝の気温はマイナス11度、一昨日から降り出した雪で一面銀世界。

12月は一年中で最もイベントの多い月である。クリスマスの始まりを告げるアドベント(待誕節―クリスマスの4週間前の日曜日)が来るとクリスマスもいよいよ間近、人々はその準備に余念がない。10日にはノーベル賞晩餐会がストックホルムの市庁舎で盛大に行われる予定だ。人々はテレビの実況中継に釘付けになる。リアルタイムで招待客の顔ぶれ、特にコメンテーターによる女性客の服装の品定めがクローズアップされ、メニューの紹介と続く。日本のテレビでもお楽しみいただきたい。
blg1204Xmas飾りのクッキーとグレッグの瓶

続いて、聖ルシア祭、キリスト教の聖人、聖ルシアの聖名祝日を祝う行事が13日に行われる。この日はルシアに扮した少女たちが純白のドレスに身を包み、命を象徴する火をともした冠をかぶり、ろうそくを手に持って行進する。この日のために各家庭ではサフラン入りのS字形をしたパンやシナモンクッキーを焼き、グレッグ(熱燗で飲む甘いワイン)を飲みながら食べる。うちでも子供たちが幼い時から毎年欠かさず家族揃って焼いてきた。今年も焼くつもりだ。クリスマスの飾りつけも大方済んで、日が暮れると町中の窓と言う窓にはクリスマススターやアドベントランプが灯され、街の並木や樅の大木もイルミネーションでまぶしいほどだ。(次号29につづく)blg12043我が家のアドベントキャンドルコーナー

P1020308黒岳の登山口の男池(湧水)
久しぶりに九重方面に山歩きに出ようと休日には珍しく早起きして車を走らせ、黒岳の麓の男池に着いたのは10時を回っていた。少し雨模様になっていたが、折角なので靴を履き替え遊歩道から登山道に入った。登山の装備はせずに、軽い足慣らしと灌木の中を傘片手に歩くうち、どんどん岩のごつごつした道になり険しさを増していったが誰も停まろうとはせず上に向かってひたすら歩く。中2人は若いころ山の経験がありきついのも楽しいくらいであった。

一時間も登って引き返すタイミングを逸したころ、霧が深まり、夫がもうこの先は同じ感じと言出したのをきっかけに引き返すことにした。落葉のサクサクいう音、緑色のコートを着たような苔むした岩、倒木の上に芽吹いた樅の苗(ひこばえ)、葉が落ちて何の木か分らぬ高木を目で追うと梢の背後から明るい空が覗き、まだ昼過ぎであることがわかる。コナラ、ブナ、カエデ、原生林らしい混交林でヤドリキも堂々と絡み付いて高々と登っていたり、新緑のころは天井を覆う若葉がさぞや美しいに違いない。

歩き疲れはしたが、落葉の感触と広葉樹林ならではの樹種の豊富さを存分に味わった。帰路長者原から九重連山を見上げると真っ白い雪が頂から吹き降ろしたように山肌の濃い緑に谷の筋を描き、枯れ野の黄土色で切り替わっていた。P1020325網の目状の根を跨ぎ黙々と上を目指す。
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P1020333頂は雪、霧の視界もまた良し。

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