161112a 夏が終わり秋が来て、今はもう11月。先週ついに初雪が降り、今日も朝からずっと粉雪が舞い続けている。こうした季節の変化とともに自分の生活にも変化が起きている。娘が同市内のアパートに引っ越したのだ。ずっと住んでいた娘の部屋がもぬけの殻という現実に愕然とする。若い父親と二人の子供コンスタントにポジティブ姿勢を崩さない友人に言わせれば「子供が成長して旅立っていく素晴らしい出来事よ!喜んで見送ってあげなくっちゃ」だそうだが、私には、これから始まる亭主と中高年の猫2匹と金魚6匹の暮らしに喜ぶ気にはなれない。

近くの林の中と紅葉したナナカマド、幼少期の子供をつれた若かりし夫161112c
数日後、久々に晴れた一日、近くの林の遊歩道を歩いてみる。時折聴くキリスト教の牧師のインターネット礼拝を携帯で聴きながら進んでゆくと、紅葉した葉をいくらか残した樹々の間に突然明るい緑色の葉を付けた数本の大木の下にいた。なぜか立ち止まりよく目を凝らしてみると、はらはらと静かに薄緑色の葉が舞い降りてくるのだ。それは幻想的で自分に何かを語りかけているような気さえした。紅葉せず鮮やかな緑のまま葉を落とす樹、なんという潔さ!自然の摂理に忠実にその季節が来たら自らの体の一部を手放す姿を見、生涯の秋の季節にあるわが身の在り方と重ね合わせる。
161112dちょうどイヤフォンから流れる牧師の話がマザーテレサのインタビューの引用に差し掛かり、「地上で最も美しい言葉はありがとうという感謝の言葉です。それは人の心を癒し、奇跡を起こし、未来を切り開く人生最大のエネルギーなのです」ときた。まさにグッドタイミング。そう、何も抗う必要はないのだ。子育てと仕事に追われた季節を乗り切って気が付けば次第に人から必要とされない秋の季節を迎えた自分。誰もが通る道。思い返せばいろいろ体験さしてもらえて有難うございますと口に出して言ってみると体が
(更年期障害のほてりも手伝って)熱くなった。何を隠そう私が娘と同じ年齢のころ、唖然とする両親を尻目にスエ―デンへ引っ越してしまったのだから。

名前不明の赤い実と丘の上からの眺め

帰宅したころには娘への執着の代わりに次のステップへ踏み出そうとしているこれからの自分を誇らしげに見守るもう一人の自分がいた。161112b

<前出の牧師礼拝について>

十数年前に日々のストレスで疲れ切っていたころクリスチャンの友人が貸してくれた礼拝カセットを今はインターネットで聴けます。ジョーク交じりの話にせき込むほど笑い、しんみりと語りかける慰めの言葉に救われ、今も時々散歩のときに聴いています。関心のある方は http://www.kojochurch.com/index.htmlに入り左端のインターネット放送をクリックしてみてください。私のお気に入りは田中信生牧師です。


担当:スウェーデンの白樺