2017年05月

P1050500梅雨前の短い時間は緑の風が心地いい。妹の帰省で持ち帰り品を選ぶうち、和のモノの良さを再認識した。

古道具の手間暇かけられて、受け継がれた品が身の回りにまだ在るのを知って、断舎利ばかりがブームになっているのは考え物だと思った。作り手のいなくなる時が来たら欲しくても手に入らない。

偶然、地震で解体されることになったはす向かいのT邸に業者の人が下調べに入って家具を庭に放ってあった。

他界された奥様の画材置きだったらしい背の高い75cm角の棚を見て、不要品ですかと聴くと、「道具好きでしょ」とアトリエだった部屋まで案内された。

おびただしい額縁やキャンバスの奥に木箱が幾つもあり、開けてみると漆器類が詰まっていた。「片付くから好きだったら持ってってください」20枚はある塗盆、重箱、汁椀、手塩皿、それぞれの木箱に名称と購入されたであろう年時が墨書きされている。 捨てるのはに引き取ってからでも遅くはない。wanbk1
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家の玄関に山積して、夜でも品定めとしよう。「いやいや、たのしいわ」絵付けされた美しいお椀、どれもイメージが豊か。お重の入れ子になった可愛い花柄、見ているうちにどれも捨てるのは、、、と。妹に早速スカイプで、映像を流しながら感想を聴く。「わーとっといてー」

この日からオークションに目を通し、落とせそうな額のをしきりに狙う。食器を増やすのはもうやめにして、掛け軸を物色、今3点確保。何処に飾る?多分スウェーデン行になる?

(当時の価格が想像つかないけれど、私の小遣いでは到底無理だったのが買えた。自分の心に何らかのインスピレーションをもたらすものを選んで落札している。)kousizu1
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今夜あたり李朝の白陶の花器が、、、。すでに私の手の届かぬ額になっているのだが、いくらで落ちるんだろう。

写真下段2枚はPCをそのまま撮影したもので、落札し損ねた気に入りの掛け軸と孔子像。

〆切時刻に入札しても延長戦になり跳ね上がって断念。コレクターはアチコチから狙ってますから、、、、。

P1050456GWもあっと言う間に過ぎ去ったが、アウトドアシーズンは始まったばかり。毎年GWあたりからキャンプを始めるので、今年も同じタイミングで出かけた。

昔はどこでもキャンピング派だったから、設備もない普通の山奥とか川の近くとかで思い付きキャンプを張っていたが、このところ弱腰になってオートキャンプ場とかを利用するようになった。
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今回は前にも来たことのある南小国、満願寺のサイトで三段になった一番上。聞けばオーナーが介護の役が回り来て辞めますと、、、。露天風呂付きで気に入っていたので残念。まあ後を引き受ける人が出てくると思うが。


同じサイトには先客の父と息子の二人がすでに立派なテントで装備も充実してゆっくり夕食の支度を始めていた。下の段もあちこちから煙が上がっていたが、我らは超不自由、現地調達型。


夫が近場から絡んだ蔦を引きずりおろし、雨用心のタープをそれを紐がわりに引っ張らせペグで固定。ストウブは持って来てたが、この際西部劇スタイルで木のY字の俣を向い合せて、棒切れを渡し鍋や飯盒を吊るして下から火をくべた。
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カウボーイが何百頭もの牛を街に出すとき、映画に出てくる野宿のシーン。煤けたケトルにチリコンカーンの豆が煮えてるのをこれまた棒切れでかき混ぜるアレだ。


焚き火を見るのが好きで、訳もなく火を焚いて相当夜更けかと思うと8時を回ったころだった。件の親子はウクレレを持って来ていてチョット奏でてくれたりする。「父親がこんな風に子供を連れだしてアウトドアの楽しみ方を教えてるなんていいなあ。」夫がいう。

翌朝目覚めは5時、快晴の空に木々の新緑、かん高い鳥の鳴き声に起こされた。空気もウマい。帰路は脇道にそれ、去年見つけたクレソンの群生からたっぷり二提げ持ち帰った。

P105046017クレソン(最後の写真は道の駅で入手したウドと葉わさび、帰宅し酒肴に加工)P1050472

hasam17bGWはもう初夏の陽気、衣替えしないと戸外は厳しい。2日続けてマルシェに出かけた。29日初日には波佐見と有田の陶器市、翌日は近所のカントリーパークで元は阿蘇神社境内横で恒例の旅するマルシェが、地震事情で移ったらしい。
hasam17aいずれも結構な人出、陶器市の方はバスツアーに乗っかって、皆さんとお揃いのリュックに帽子で歩き回った。 里帰り中の妹は初めてなので、もう見る店が多すぎてこんな短い間ではと決断に手間取った。

時間の過ぎるのを忘れて、ツアーのバス時刻に遅れそうになり、案内所の警察官とボランティアの人に助けられ、タクシーで移動して冷や汗をぬぐった。
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マルシェの二つ目は骨董類が多く見ごたえがあった。なかなかの品ぞろえで欲しい物が次々に現れる。特に妹は和風の塗り物や焼き物にしばしば足を止めては、トランクの重量を考えて躊躇っていた。

清貧の思想や、物欲に惑わされない生き方に関する読書を帰省以来むさぼっていたが、効き目はあまりないらしい。

多分、帰宅して日本の空気を少しでも長くまとっていたいのだと思う。

早くも後半に差し掛かったGW、明日は南小国でのキャンプを計画し、夫がアウトドア用品の手入れを始めている。やっぱり〆は自然の懐がいい。


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